第1回 研究集会 (法政大学大学院棟) |
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報告
李文茹氏(慈濟大学)
「台湾における日本文学・「私小説」の認知の現状」
李文茹氏による台湾における「私小説」の認知現状の調査は、大学生を中心に200人を超える大規模なものとなった。結果としては、韓国での調査結果もそうであったが、授業やそのテキストで学んだ知識としての「私小説」は知っていても、それに対する理解となるとやはり難しいということであった。後半は、日本の近代文学に少なからず影響を受けているはずの中国、台湾、韓国において、「私小説」が発展しなかったのはなぜかが話題となった。「私小説」はこれらの国の文学に、いかなる影響を与えたのか、また、発展しなかったのはなぜか。今後、各国における近代化と近代文学についての比較検証が必要ということになった。また、日本による統治、蒋介石政権の樹立と、政権の交替による言語の転換が台湾の文学に与えた影響、中国近代文学との違いなどが話し合われた。[梅澤亜由美] |