(2003.3.31刊、全84頁、定価800円、送料180円)
特集「戦争と私小説」
特集は「戦争と私小説」。 戦争という極限状況の下、作家達がどのように〈私〉を表現してきたのかを探る。インタビューは小島信夫で、特集記事の一つ。
[第4号 目次]
特集 戦争と私小説
「極めて個人的な物語」である「喜劇」―後藤明生『挟み撃ち』『夢かたり』…河合 修
野坂昭如の「私小説」…梅澤亜由美
木山捷平と「満洲」…齋藤秀昭
庄野潤三と戦争…山中秀樹
インタビュー ぼくの考える小説の面白さ…小島信夫
特集小論……戦争をめぐる「私」
森 鴎外 「うた日記」「鶏」…風里谷 桂
大倉桃郎 「屍の中より」…國廣あい
黒島傳治 「栗本の負傷」「渦巻ける烏の群」…姜宇源庸
火野葦平 「麦と兵隊」…松下奈津美
真杉静枝 「小生物」…伊原美好
阿部知二 「死の花」…宮里 潤
永井 隆 「長崎の鐘」…東雲かやの
三島由紀夫 「仮面の告白」…奥山貴之
河野多恵子 「塀の中」…山根知子
田中小実昌 「ポロポロ」…志賀浪幸子
林 京子 「長い時間をかけた人間の経験」…大西 望
エッセイ
芥川文学における〈私小説〉という装置…宮坂 覺
中国文学から見た「私小説」…魏 大海
〈私〉と向き合うミステリ…藤田知浩
私小説時評2002
私小説の力…勝又 浩
私小説 ブックレビュー2002
日比嘉高『〈自己表象〉の文学史』……若木俊一郎
日野啓三『落葉 神の小さな庭で』……田辺友祐
古山高麗雄『妻の部屋』……李 英 哲
大江健三郎『憂い顔の童子』……依田由紀子
中島義道『「私」の秘密』……築山尚美
執筆者(掲載順)
河合修[かわい・おさむ] 法政大学大学院日本文学専攻修士課程在籍。共編に『小熊秀雄とその時代』(せらび書房)がある。
梅澤亜由美[うめざわ・あゆみ] 法政大学大学院日本文学専攻博士課程在籍。川端文学研究会会員。本誌編集委員。
齋藤秀昭[さいとう・ひであき] 法政大学大学院日本文学専攻博士課程在籍。本誌編集委員。
山中秀樹[やまなか・ひでき] 京華女子高等学校教諭。論文に「島尾敏雄における敗戦と復員」(『日本文学誌要』五二号)など。本誌編集委員。
小島信夫[こじま・のぶお] 作家。著書に『各務原 名古屋 国立』(講談社)など。
風里谷桂[ふりたに・かつら] 法政大学大学院日本文学専攻博士課程修了。本誌編集委員。
國廣あい[くにひろ・あい] 法政大学大学院日本文学専攻修士課程在籍。
姜宇源庸[かん・う・うぉん・よん] 法政大学大学院日本文学専攻博士課程在籍。太宰治などを研究。本誌編集委員。
松下奈津美[まつした・なつみ] 法政大学日本文学研究室助手。南方徴用作家などを研究。本誌編集委員。
伊原美好[いはら・みよし] 法政大学大学院日本文学専攻修士課程在籍。佐多稲子研究会会員。
宮里潤[みやさと・じゅん] 法政大学大学院日本文学専攻修士課程在籍。沖縄近現代文学を研究。
東雲かやの[しののめ・かやの] 法政大学大学院日本文学専攻修士課程在籍。川端文学研究会会員。
奥山貴之[おくやま・たかゆき] 法政大学大学院日本文学専攻修士課程在籍。
山根知子[やまね・ともこ] 法政大学大学院日本文学専攻修士課程在籍。小林秀雄を研究。
志賀浪幸子[しがなみ・さちこ] 立教大学大学院日本文学専攻博士課程前期課程修了。河上徹太郎などを研究。
大西望[おおにし・のぞみ] 法政大学大学院日本文学専攻修士課程在籍。三島由紀夫を研究。
宮坂覺[みやさか・さとる] フェリス女学院大学教授。著書に『芥川龍之介―人と作品』(翰林書房)など。
魏大海[WEI DAHAI] 日本文学研究者。中国社会科学院研究員。著書に『私小説』(山東文藝出版社)があり、多くの翻訳を行なっている。
藤田知浩[ふじた・ともひろ] 探偵小説研究家。本誌編集委員。
勝又浩[かつまた・ひろし] 文芸評論家。法政大学文学部教授。著書に『都市の常民たち』(勉誠社)など。
若木俊一郎[わかぎ・しゅんいちろう] 法政大学大学院日本文学専攻修士課程在籍。戦後の文学を中心に研究。
田辺友祐[たなべ・ゆうすけ] 法政大学大学院日本文学専攻博士課程在籍。埴谷雄高、村上春樹などを研究。
李英哲[り・よん・ちょる] 朝鮮大学校教員。中島敦を研究。
依田由紀子[よだ・ゆきこ] 法政大学大学院日本文学専攻修士課程修了。
築山尚美[つきやま・なおみ] 立教大学文学研究科博士後期課程満期中退。私立関東国際高校勤務。二十世紀小説。江戸川乱歩など。
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